Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
第十八回 雪中旅行
雪山唯一の頼みは磁石
第十八回 雪中旅行
雪山唯一の頼みは磁石 どっちみち北の方に降って行くのであるが、さていずれの方面に降ったならば今志すところのマナサルワ湖の方面に近いか知らんという考えから、まず山中ただ一つの頼みとする磁石の指し示すところに従ってまず西北の方に向って雪の中を降ろうと決定した。まあこの方向が一番よさそうなという道筋を山の絶頂からよく望んで置きまして、それから荷物をやっとこさと背負って息杖を頼りにその雪の中を進んで行ったです。ところがこれまでは日表の山の方であるから雪も格別沢山はない。五、六寸積って居る所もあればまた積って居らぬ所もある。あるいは諸所に雪融の痕があって石がゴロゴロ転がって居るというような所も随分あったです。
ところが〔今おりる道は〕日裏の方ですからどうもその雪の深いことといったらなんとも堪えられない。それはどれだけ深いか分らぬけれどもグッと踏んで見ると一尺四、五寸は確かに足がはいってしまう。稀には七、八寸位ですむこともあるけれどもどうもその足を抜くのが困難です。それゆえに杖をもってよい塩梅に舵を取ってズブリズブリ渡って行くようにしてだんだん降って行きましたが、雪の積ってある下に石の高低があるものですから、折にはその石と石との間に足を突っ込んで足を抜くに非常に困難したこともあるです。