Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
大分、気分も確かになったから時計を出して見ますと午前十時半頃、それはその翌日の十時半であったか翌々日の十時半であったか、時を経たことはよく分らない。それから麦焦しを喰おうと思いましたけれど例の水がないものですから傍の雪を取ってバタを入れてそれでまあ麦焦しの粉を一ぱいばかり喰いました。で羊にもやはり麦焦しの粉を沢山に遣りました。
彼らは始めの程は草より外喰わなかったけれどだんだん慣れるに随って麦焦しの粉を食べるようになりました。その時は余程腹のへって居ったものと見えて沢山喰いました。それから羊に荷物を背負わせ自分も荷物を背負って雪の中をぼつぼつ下の方に向って参りました。もうこれから上に向って進んで行くという勇気はない。まあ谷間で身体を休めてそれから進行しなくってはとても身体が持てないという感覚が生じましたからだんだん下へ指して二里余り降りますと川が一筋ありました。その川へ着こうという手前からまた綿のような大雪がドシドシと降り出した。今晩もまた雪の中で凍え死するような目に遇うか知らんと思って居ると、ふと降りしきる雪の中で実に美しい声で啼き立つるものがあったです。