Japanische Klassiker mit Furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme
垢の多少が縁談の条件
まあ垢と麦焦しとを一緒に捏て喰うといううまい御馳走なんです。そういう御馳走をです、黒赤くなった歯糞の埋もれて居る臭い口を開いて喰うのです。それを見ただけでも随分胸が悪いのです。で、生れてから身体を洗わないという理由はどうかと言いますと、洗うと自分の福徳が落ちると言うのです。妙な考えを起したもので、もっとも中央チベットではそれほどにも言いませんけれども、辺鄙なヒマラヤ山の北方のチベット人などは実に甚だしい。
垢の多少が縁談の条件 まず嫁を取る時分に向うの娘はどういう顔をして居るかと言いますと、どうも垢で埋もれて真っ黒けになって白いところは眼だけである。手先でもどこでもが垢でもって黒光りに光って居る。それからその着物と言うたらば垢とバタでですな、黒く漆のごとく光って居ると、こう言うとその娘の福相を現わして居ることになる。もしこの娘が白い顔をして居るとか手先や顔でも洗って居るとか言うような事を聞きますと、そんな娘は福が洗い落されてしまって居るから、それはお断りだと、こういう訳。それは男ばかりでなく女が聟さんを選ぶにも、やはり垢の多少をもって福の多少を判断して、それで嫁に行ったり聟を取ったりするというような始末である。