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Japanische Klassiker mit Furigana

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チベットりょこうき

チベット旅行記

河口 慧海

Lesen Sie チベット旅行記 (チベットりょこうき) von 河口 慧海 (かわぐちえかい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 531.520 Zeichen · 1042 Bildschirme

Aozora Bunko

夕日がだんだん山の端に入るに従って珊瑚の色は薄らいで黄金色となり、其色もまた束の間に薄らいで白銀の色となったかと思いますと、蒼空は拭うがごとく晴れ渡って一点の雲翳をも止めず、見惚れて居ります中に朧気に幽邃なる高雪峰いな兜卒天上の銀光殿かと思わるる峰の間から、幾千万の真珠を集めたかのごとき嫦娥が得もいわれぬ光を放ちつつ静かに姿を現わして、皚々たるヒマラヤの雪峰を照す光景は、氷光か何とも譬えようのない光景であります。

冬の月夜は以上述べたようでありますが、さて雪が劇しく降り出して四方の雪峰に積るばかりでなく自分たちの居ります平原地にも一尺、二尺と積り三尺と重なり、かてて加えて暴風が恐ろしい勢いをもってその雪を吹き散らしあるいは空に捲き上ぐるのみならず、雪峰より雪崩れ来る雪の瀾がその暴風と共に波を打って平原地を荒れ廻るその凄まじき声は、かのビンドラバンの大林の獣王なる幾千の大獅子の奮迅して吼ゆる声もかくやあらんかと思わるるばかりであります。この時に当ってもし旅人があるならば、その雪のために忽ち捲き込まれて幾千仞の幽谷に葬られてしまうということは珍しからぬことであります。