Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
それが済むと、学寮に入って、師の坊の講義だの、僧たちの討論をきいて、やっと、自分のからだになって、机に坐るのが、もう午であった。
「おいたわしい」と、性善坊は、範宴のかわりに、水を汲んだり、拭き掃除をしようとしたが、他の僧に見つかると、
「ばか者、なんで寺へ入れた」といわれる。慈円僧正もまた、
「庇うことはならぬ」と、叱った。
以来、見て見ぬふりをしているが、時折、「ああ手が腫れていらっしゃる……」と、彼のあかぎれを見ても、胸が迫った。
こういう、世間なみの人情を、寺では、凡情とわらう。もっと、ほんとうの愛をもてという。
「そうかなあ」彼自身もまた、自身の勉強にせわしかった。
十二月に入ると初旬の三日には、慈円僧正が叡山にのぼるということを、範宴は、弟子僧から聞いた。
叡山の座主であり、慈円僧正の師でもある覚快法親王が、世を去られたために、その後にのぞんで、一山の大衆を導くことになったのである。
だが、慈円は、そんな身辺の変化が、明日に迫っているとも知らないように、一室で、例の支那から渡来した茶の葉を、独りで、煮ている。
「お師さま」範宴は、そっと手をついた。