Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
二
……それでもいいのか、おお、それでも」じゃれる黒の首根っこを膝へ寄せて、山伏は、路傍の樹の根へ、どっかりと坐ってしまう。
「疲れたなあ……腹も減るし――」
蜩の声が雨のようである。四辺の木立は暮れかけているのだ。ふと、後ろを仰ぐと、寺院の山門が見える、そして、七、八名の学僧がかたまって、立ち話になにか論議していた。
「いよいよ、世は末法だ、僧が、公然と、貴族の娘と、結婚するなどという沙汰が、なんの不思議に思われないほど、仏法も、人心も、堕落してきたのだ」一人が、書物を抱えながら、眼を剥いていう。
他の僧も、肩をそびやかしたり、法衣の袂をたくしあげて、
「聞けば、法然はそれを、むしろすすめたというじゃないか」
「なんでも、大衆大衆と、庶民の低いほうへばかり媚びている俗教だからな。――しかし、法然はとにかく、綽空のような、いやしくも北嶺の駿足といわれた者が、なんたる破廉恥か」
「僧の体面にかかわる」
「五山の僧衆は、黙認する気か」
「苦情をいっても、個人の意志でやる分には、どうもなるまい」
「仏誅を加えろ、仏誅を」
「どうするのだ」
「撲る!」
「まさか、暴力も――」
「さなくば、婚儀の当夜、大挙して襲しかけ、彼の破戒行為を責める」