Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
橡色の直衣に、烏帽子をつけた笑顔が、欄干の彼女を見あげて、
「ひどく、お顔いろがわるいが? ……。それに、介も見えず、裏の木戸も、開け放しになっているではありませんか」
「宗業様、よい所へ来てくださいました。……今、十八公麿が見えぬというて、介も乳母も、出て行ったところでございます」
「えっ、和子の姿が、見えなくなったと申すのですか」
「このごろ、陸奥の方から、人買いとやら、人攫いとやらが、たくさん、京都へ来て徘徊いているそうな、もしものことがあっては、良人の病にもさわりますし、私とても、生きたそらはありません」といううちに彼女の眸は、もう、いっぱいに沾んでしまう。
三
まるい丘と丘が重なりあっている。丘の赤松の蔭からは、瓦焼きの竈の煙が、まっすぐに立ち昇っていた。それを見ても、風のないのがわかる。
蝶の群れが、逃げてきた。キキキ、キッ、と軌の音がどこからかしてくる。見ると、日永の遊山に飽いたような牛が、一台の輦を曳いてのろのろと日野の里を横に過ぎて行く。
「七郎っ。――七郎よっ」輦の中で、少年の声がした。武家の息子であろう、ばらっと、乱暴に、簾をあげて、首を外へ出した。