Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
恋愛篇
門
一
「またのお移りを待つぞ」などといった。
輦がゆるぎだすと、白河の上にも、如意ヶ岳のすそにも、白い霧のながれは厚ぼったく揺らいでいた。そして、どこからともなく、淙々と四絃を打つ撥の音がきこえてきた。
「お、琵琶の音がする。……加古川の法師は? ……」輦のうちで眼をふさぎながら、範宴は、玉日姫のすがたを、おぼろ夜の白い桜を思いうかべていた。
恋愛篇
門
一
すさまじい荒法師の一群が、肩をいからし、高足駄を踏みならして、
「もの申すっ」と聖光院の玄関に突っ立ち、こう呶鳴った。
「範宴少僧都に会いたいことがあって、遥けく罷りこした僧どもでござる。お取次をねがう」坊官たちは、玄関脇の一室で、
(や、また来た)と眼まぜをしあい、当惑顔をするのであった。
根来の誰とか、三井寺のなにがしとか、また聖護院の山伏だの、鎌倉の浪人者だの、名もない市井の無頼漢までが、きのうも今日もこれまで幾組来たことかわからない。
いい合わしたように、皆、
(範宴に会わせろ)とか、
(範宴をこれへ出せ)とかいう。
彼が叡山を下りて、ここへ帰ったという事実は、一日のうちに洛中洛外に知れわたってしまった。――燃えている炎の中へ、油の壺でも投げこんだように。