Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
二
「垣の外に流れがある。常に来て案内を知る者ならば墜ちることもあるまいが、見てやりなさい」と、ささやいた。
「はい」綽空は、上人の思いやりをありがたく思いながら、廊下を伝わって行って、性善坊の影を、窓からさがした。
「綽空さま」性善坊は、まだそこに立っていた。篠をつくような雨を浴びて――。
ここの門で、師弟の袂をわかつ時に、決して、訪ねてくるな、会いにくるなと、かたく誡められていたので、常に、心にかけながら来ることができなかったのであるが、今夜の大暴風雨を幸いに、性善坊は、駈けつけてきたのであった。――でも、同門の人々や、上人の前で、親しい言葉をかわすことができなかったので、心残りに、まだそこに佇んでいたものと見え、窓に、綽空の顔を見ると、とびつくように寄ってきて、昔ながらのことばで、
「お師さま!」と、濡れた顔を下からのばした。
「上人のお心づけじゃ、そのあたりに、山水の流るる溝がある、気をつけてゆけよ」
「はい」
「そちは、以来、無事か」
「聖光院の御門跡もかわりましたゆえ、青蓮院の僧正におすがりして、尋有様と共に、僧正のお給仕をいたしております」
「弟もやっているか」