Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
「笑止、笑止」学僧たちは、手を打って、笑いあった。
「南都の大伽藍を焼き払ったり、大仏殿の炎上を敢てしたりした平家が、その仏にすがって、調伏の祈願するとは、何という勝手なことだ」
「先には、十禅師の神輿をさえ、踏み躙った、あの羅刹どもが、祈願をしたとて、何の効があるものか」学僧たちの話しているのを聞けば、むしろ、平家調伏の声であった。
すると、実相院の朱王房という若い堂衆がいった。
「あまり、自己を、侮蔑するな、聞き苦しい」
「何だと、朱王房」学僧たちの眼は、彼の顔にあつまった。
三
口論や、なぐり合いは、日常茶飯事であるし、何か事ある時は、身を鎧い、武器をひっさげて、戦をもする当時の僧であった。
気のあらい学僧たちは、朱王房のことばに、すぐ、眼にかどを立てて、
「誰が、いつ、自己を侮蔑したか」
「したじゃないか」朱王房も、負けていないのである。
「なるほど、皆のいう通り武家というやつは、勝手者だ、わけても、平家の如きは旺な時には、神仏を焼き、衰えてくると、神仏にすがる、怪しからぬ一族だが、その武家に養なわれて、平家の世には、源氏を呪い、源氏の世には平家調伏の祈りをする、われわれ僧侶という者のほうが、いくら、役目とはいえ、神仏を馬鹿にしているものだ。