Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
六
「朝麿様が、そこに」
「えっ、弟が」びっくりして、地上をすかしてみると、たしかに人らしいものが、顔を横にして、仆れていた。
六
その時から、原のあなたで、女の泣きさけぶ声がして、範宴と性善坊の耳のそばを糸のように流れた。
「やあっ、あの声は梢ではないか」ここには、朝麿が、なに者かにふいに棒かなんぞでうちたたかれたように気を失っているし、あなたには、けたたましく救いを呼ぶ梢の声がきこえるし、事態はただごととは思われない。兄に抱き起されて、気がつくと、朝麿は、
「梢が――梢が――」と、必死になって、道もない萱原の中へまろび入った。
遠い野火の炎が、雨もよいの、ひくい雲を紅くなすっていた。
火光に透いて、萱原の中に駈けおどって行く、十名ほどの人影が黒く見える。
「梢――」朝麿が、さけぶと、なにか罵る声が激しく聞えて、彼はまたそこで、中の一人の一撃にあってよろめいた。
性善坊と範宴は、朝麿の身を案じながら、すぐその後に駈けつけていた。
まぢかに迫ったとき、二人の瞳があざやかに見た十名ほどの人影は、うたがうまでもなく、人里といわず、山野といわず、野獣のように跳梁する野盗の群れにちがいない。