Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
五
「して、太夫房」と、蓮生は、覚明の顔をまじまじと見て、
「貴公は、常々、法筵でも見かけたことはないが、どうして、今日はここへきて手伝っているのか」
「いや、飛入りだ」覚明は、磊落に、頭へ手をやった。
「――実は、こういう場合でもなければ、師のお側へ近づけないし、師の房が、屋根の上で、あんな下人のする業をもなすっているのに、手をこまぬいて見ているわけにもゆかん。そこで俺は、誰に頼まれたわけでもないが、倒れている庭木を起して植え直しているのだ」
「ふうむ……。貴公の師とよぶ人は、上人ではないのだな」
「あれに上がって、屋根繕いをしている範宴少僧都――。いやここへ入ってから綽空と名をあらためたあのお方だ」
「ほ……。綽空殿の?」
「時に、頼みがあるが肯いてくれないか」
「わしに? 何か」
「ほかではないが、俺は、どうしても、師の綽空様のお側にいたい。けれどそれを師にすがって見ても無駄はわかっているので、きょうまで、控えていたが、師と離れている俺は、飼主を失った野良犬のようにさびしい。ともすると、せっかく、築きかけてきた信仰もくずれそうな心地さえする」
「そうか。綽空殿と共に、ここにいたいと願うてくれというのじゃな」