Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
輦から、眼もあやなばかり、黄金の太刀や、むらさきの大口袴や、ぴかぴかする沓や、ろうやかな麗人がこぼれて薔薇園の苑と亭にあふれているのが、五条橋から眺められたが、
(羨ましい)とは、感じもしなかったし、なおのこと、(不都合な平家)などとは、思いもしなかった。
平家を憎悪する気力すらないのが、今の藤原氏であり、源氏の果てであった。
「オ。……ここじゃ」いつか、粟田口へ、二人は来ていた。十禅師の辻まで来ると、範綱は、足をとめて、
「弟、御門外で、待っているか、それとも入るか」と宗業に訊いた。
三
「私は、外で待っていましょう」と、宗業はいった。
「そうか」範綱は、ちょっと、考えていたが、眼の前の、青蓮院の小門を片手で押しながら、
「じゃあ、今日は、わし一人で、ご拝謁をしてこよう。すぐに、戻ってくるからな」と、中へ隠れた。
宗業は、塀の外をしばらくぶらぶらしていたが、やがて、鍛冶ヶ池のそばへ行って、雑草の中の石に、腰をおろし、鮒かなにか、水面をさわがしている魚紋に見恍れていた。時々、顔を上げて、
(まだか)というように、青蓮院の方を、振向いた。
そこから見ると、青蓮院の長い土塀と、土塀の中の鬱蒼とした樹林は、一城ほどもあって、どこに伽藍があるのか、どこに人間が住んでいるのか、わからなかった。