Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
五
あしたは叡福寺を立とうと思うが、もう叡山には帰らないつもりです」
「して、これから、どこへさして行かれるか」
「あてはない……」聖覚はうつ向いて、さびしげに、
「ただ、まことの師をたずねて、まことの道を探して歩く。――それが生涯果てのない道であっても……」二人の若い弥陀の弟子たちは、じっと、そばにある紙燭の消えかかる灯を見つめていた。
すると、更けた夜気を裂いて、どこかで、かなしげな女のさけび声がながれ、やがて、嗚咽するような声にかわって、しゅくしゅくと、いつまでも、泣きつづけている――
「はて、怪しい声がする」範宴が、面をあげると、聖覚法印も立ちあがって、
「どこでしょう。この霊地に、女の泣き声などがするはずはないが……」と、縁へ顔を出して、白い冬の夜を見まわした。
五
「はての……普請の経堂の中でする声らしい。……ちょっと見てきましょう」法印は外へ出て、経堂のほうへ出て行ったが、やがて、しばらくすると戻ってきて、
「世間には、悪い奴が絶えぬ」と義憤の眼を燃やしながら、範宴へいうのであった。
「若い女でも誘拐かしてきたのですか」
「そうです。――行ってみると、野武士ていの男が、経堂の柱に、ひとりの女を縛りつけ、凄文句をならべていましたが、どうしても、女が素直な返辞をしないために、腕ずくで従がわせようとしているのでした」