Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

七

夕闇にちる花は、白い虫のように、美しく、気味わるく、光のように明滅している。

と――そこへ、

「お使いの者、もどりました」高松衛門が、あわただしく、告げてきた。待ちかねて、

「どうあった?」と、僧正がたずねると、使者は、次の間にぬかずいて、

「中務省の御印可、無事、下がりましてござります」と、復命した。

七

人々の顔に、喜色が、かがやいた。

「そうか、ではすぐに、得度の式をしてとらそうぞ。衛門、用意を」僧正の一令に、

「はっ」と、衛門は立つ。やがて、どっぷりと墨いろに暮れた御堂の棟木をつたわって、梵鐘の音が、ひびいてくる。

廊には、龕の灯が、ほのかに点る。勤行の僧たちの姿が、かなたの本堂で、赤くやけて見えた。

「どうぞ、こなたへ――」と一人の僧が、それへ来て、用意のできたことを告げると、範綱は、十八公麿の手をとって、静々と、橋廊下をわたって行った。

供の侍従介も、影に添って、おそるおそる、二人のうしろから従いてゆく。

伽藍には、一山の僧が、居ならんで、粛としていた。

座談の時とはちがって、慈円僧正は、やや恐いような厳そかな顔をもって、七条の袈裟を、きちっと裁いて正面に坐っていた。