Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
炎の家族
一
「萩の井さま」と、一人の女がいう。
寝そべっていた女が、
「なあに」甘ったるい返辞をし、敷物から顔をあげた。
窓から、外をながめていた女が、二人の会話にふり向いて、これも話にまじろうとするように、坐り直す。
この下の棟には、五、六人の女たちが、棟つづきに住んでいるのだった。
彼女たちは皆、ひとりの年景に飼われている美しい動物の境遇であった。年景をめぐって、彼の寵愛を争う時には、おのおのが、爪を研ぎ、毒舌に火をちらすのであったが、無智で節操のない彼女たちは、昼間の長い退屈にわずらうと、いつかこうして一間に寄り集まって冗談をいったり、物を食べ合ったり、奥の悪口をいい合ったりしてその無聊をなぐさめ合いもするのだった。
「きょう、山吹さまは、見えないじゃありませんか」
「……そういえば、ほんに」
「あの人の部屋、見た?」
「いいえ」
「誰か見てこない?」
「でも」
「かまわないよ」一人が長い板縁をわたって姿をかくした。しばらくすると、帰ってきて、
「いない」と、顔をふっていう。
「なにも変ったことはない」
「きれいに部屋が掃除してあって、小机のうえに、香が焚いてあっただけ」
「香が焚いてあった。