Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
氷雪篇
花紛々
一
吉水の禅房を中心として、洛内の信徒の家屋敷は、おのおの、暴風雨の中のような様であった。
突然、荒々しい武者どもが来て、
「調べる」と、たった一言の下に、家財を掻き回して、家宅捜索をする、そして、わずかばかりな一片の手紙でも、不審と見れば、
「こやつ、念仏門の亡者と、深い企みがあったな」
有無をいわせないのだ。食事中の主を引っ張って行ったり、乳のみ児の泣く母親の手を曳いて行ったり、それはもう地獄の図にひとしいありさまだった。
わけても、今度の事変で、法然上人以上に、一身を危機に曝された者は、岡崎の善信であった。
叡山からは特に、と、かねてから注目の的になっていた善信である、念仏門の大提唱は、法然によって興ったとはいえ、その法然の大精神と信念とを体して、自己の永いあいだの研鑽をあわせて、強固不抜ないわゆる一宗のかたちを完からしめてきたのは、より以上、善信その人の力であると、今では人も沙汰するところである。
「彼こそ、この際、断じて死刑に処されなければいかん」とは、彼の大を知る反対側の他宗において、勃然と揚っている気勢であった。
で――法然門下中の逸足としてこんどの処刑のうちには、真っ先にその名が書き上げられてあった。