Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

十

並木のうしろを、誰か、通ったからである。

「われらの知ったことではない。歌人や文書には、平家の世であろうが、源氏の世であろうが、春にかわりはなし、秋に変りはなし、いつの世にも、楽しもうと思えば楽しめる」

「けれど」宗業は声をひそめて、

「なんとなく、ぶきみな暴風雨が、京洛の花を真っ黒に打ちたたきそうな気がしてなりませぬ、――高雄の文覚がさけんだ予言といい、そちこち、源氏の輩が、何やら動きだした気配といい……」

「いうな」と二度も、たしなめて、

「唖になれ。ものいうことは、罪科になるぞ」

「文覚もいいました。唖の世だと」

「……そう」と、範綱は、何かべつなことを思いだしたように、

「唖といえば、有範の和子、十八公麿は、生れてからもう半歳にもなるに、ものをいわぬと、吉光の前が、心をいためているが」

「それは、無理です、半歳の乳のみ児では、ものをいうはずがありません」

「でも、意志で、唇ぐらいは、うごかそうに」

「ははは、取越し苦労というものですよ。吉光の前も、日野の兄君も、余りに愛しすぎるから」

十

露と、虫の音ばかりである。日野の里は、相かわらず、草ぶかい。

藤原有範が子飼の家来、侍従介は、築地の外の流れが、草に埋って、下水が吐けないので、めずらしく、熊手をもって、掃除をし、落葉焼をやっていた。