Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
八
「あいや、卒爾でござるが――」と、並木の下で、ばったりと会った範綱と宗業の兄弟に、すこし息をきって、唐突に、たずねた。
「なんですか」宗業は、足をとめた。
「このあたりで、十四、五歳の御曹子を、お見かけになりませんか」
「さ?」兄を、ふりかえって、
「見ましたか」
「いや」範綱が、かぶりを振ると、三名の寺侍は、彼の方を見て、また、言葉の不足をつぎたした。
「――御曹子と申しても、実は、鞍馬寺の預かり稚子でござるゆえ、ちと、身装にも、特徴があるし、体は、年ごろよりは小つぶで、一見、きかないお顔をしているのですが」
「知らぬの」兄弟とも、そう答えた。
八
「いやどうも」会釈も、そこそこ、寺侍たちは、彼方へ駈けて行った。宗業は、見送って、
「兄上、今の侍どもは、鞍馬寺の者と申しましたな」
「そういうた」
「もしや……」小首をかしげていうのである。
「あの者たちが、見うしなった御曹子と申すのは、遮那王ではありますまいか」
「遮那王とは」
「義朝の遺子――幼名牛若ともうす稚子です」
「ははあ」
「どうも、そんな気がする」血縁はあらそわれない、血が知らせるのである、宗業は足をとめたまましきりと見まわしていた。