Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
紙燭を、そばにおいて、誰やら自分を抱きかかえているのであった。
三
「……お気がつかれたか」と、その人はいう。
範宴は、自分の凍えている体を、温い両手で抱いてくれている人を、誰であろうかと、半ば、あやしみながら瞳をあげて見た。
「お……」彼は、びっくりして叫んだ。
「あなたは、叡山の竹林房静厳の御弟子、安居院の法印聖覚どのではありませんか」
「そうです」法印は微笑して、
「去年の秋ごろから、私も、すこし現状の仏法に、疑問をもちだして、ただ一人で、叡山を下りこの磯長の叡福寺に、ずっと逗留していたのです。……でもあなたの、剛気には驚きました。こんな、無理な修行をしては、体をこわしてしまいますぞ」
「ありがとう存じます……。じゃ私は、気を失っていたものとみえます」
「よそながら、私が注意していたからよいが、さもなくて、夜明けまで、こうしていたら、おそらく、凍死してしまったでしょう」
「いっそ死んだほうが、よかったかも知れません」
「なにをいうのです。人一倍、剛気なあなたが、自殺をのぞんでいるのですか。そんな意志のよわいお方とは思わなかった」
「つい、本音を吐いて恥しく思います。