Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
二
それは、無心な風が、花粉を撒いて、土のある所には必ず次の花となる母胎を作ってゆくように、善信の身に、自然に備わっている力のようにみえる。
越前の新川村へ来た時には、こういうことがあった。
その土地の常願寺村には、慧明院という寺の住持で、おそろしく問答好きな和尚があって、
(こんど、都の流人で、法然門下の善信という者が、ここを通るそうな)と聞くと、
(そうか、かねて、法然房と善信の名は、聞き及んでいる。ここを通ったら、思い上がった念仏門の鼻ばしらをくじいてくれよう)手ぐすね引いて、待ちかまえていたものである。
そして、善信の一行が、百貫橋という所へかかると、立ちあらわれて、種々な問答をしかけた。善信は、彼の稚気を、おかしく思いながら、彼の過った信念を、事ごとに説いて聞かせ、凡夫直入の真髄を噛んでふくめるように諭してやると、和尚は、善信の輿の前にひざまずいて、
(世には、かかるお人もあるものか、まだ年ばえもお若いのに)と、衷心から恥じ入ったふうで、そこから越後の国府まで、一行に従いてきてしまったのみか、以来、配所のあばらやに侍いて、ひたすら念仏教に参じていた。