Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
四
――だが、石念は思い切って、事実を告げた。
「私は幾たびも、自分で自分の心をいやしみ、一心に、念仏をもって、邪心を退けようとして、幾日もたたかいました。――けれど、一度、鈴野様の美しさに囚われた煩悩は、何としても去らないのでございます」親鸞は眼を閉じていた。――じっと聞き入って、次のことばを静かに待っていた。
「それで――」
「昼間は、炎天を、教化して歩いているので、かえって胸の苦しみはわすれました。けれど、夜のすず風に、わが身にかえってくつろぐと、身内の炎は、昼間の炎天どころではありません」
「むム……」
「いけない! そんなことで、どう修行がなろうぞ! そう我を叱って、水を浴びたり、竹林の中で、夜もすがら念仏したり、岩に伏したりしましたが、克つことができません。――とうとう私は、犯してならない垣を踏み越えてしまいました。――鈴野様の部屋へ忍んで行ったのでございました」
「…………」
「その時の心は、自分ではわかりません……われながら、まったく夢中の仕業でありました」
「石念、待ちなさい」
「はい」
「おことの声に、真実がある、嘘のないその声を、鈴野にも聞かそう」