Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

五

「叔父さまの御弟子で、範宴少納言という秀才じゃ。そなたがまだ、乳人のふところに抱かれて青蓮院へ詣でたころには、たしか、範宴も愛くるしい稚子僧でいたはずじゃが、どちらも、おぼえてはいまい」

「そんな遠い幼子のころのことなど、覚えているはずはありませんわ」

「だから、恥らうことはないのじゃ」

「恥らってなどおりません」姫も、いつか、馴れていう。

「じゃあ、舞うて見せい」

「舞うのは嫌、胡弓か、箏なら弾いてもよいけれど」

「それもよかろう」

「叔父さま、謡うんですよ、きっと」

「おう、謡うとも」慈円が、まじめくさって、胸をのばすと、兼実も、女房たちも、笑いをこらえている。

範宴は、ほほ笑みもせず、黙然としたきりで、澄んだ眸をうごかしもしない。

五

そこへ、侍女が、菓子を運んできて、慈円のまえと、範宴のまえにおいた。

慈円は、その菓子を一つたべ、白湯にのどをうるおして、

「えへん」と咳ばらいした。

姫も、女房たちも、おのおの、楽器をもって、待っていたが、いつまでも慈円が謡わないので、

「いやな叔父さま」と、姫はすこしむずかって、

「はやくお謡いあそばせよ」あどけなく、鈴のような眼をして、玉日姫が睨むまねをすると、慈円はもう素直に歌っていた。