Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
九
九
金を見ると木賃の亭主は、平蜘蛛のように謝り入って、それからは手のひらを返すように、頼みもしない薪を持ってきたり、粥を煮ようの、薬はあるかのと、うるさいほど、親切の安売りをする。
「……現金な奴だ」野武士ていの男は苦笑しながら梢にむかって、
「お女房。ご病人のようすはどうだな、すこしはいいか」
「いつも、ありがとうございまする、おかげ様で、きょうあたりは……」梢は、範宴にむかって、
「お兄さま。この隣のお方には、毎日何くれとなくお世話になっております。お礼を申しあげて下さいませ」といった。
範宴はそういわれぬうちから、なんと礼をいったらよいかと、胸のうちでいっぱいに感謝しているのだった。
世には奇特な人もある、弱肉強食の巷とばかり世間を見るのは偏見であって、こういう隣人があればこそ、修羅火宅のなかにも楽土がある。あえぐことのみ多い生活のうちにも清泉に息づく思いができるというものであろう。
かかる人こそ、仏心を意識しないで仏心を権化している奇特人というべきである。何を職業としている者かありがたい存在といわねばならぬ。
範宴は、両手をつかえて、真ごころから礼を述べ、立て替えてくれた金子は、沙門の身ゆえ、すぐには調達はできないが、両三日うちには必ず持ってきて返済するというと、男は磊落に笑って、