Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
十二
……けれど、私が助かれば、和子様のお父上に迷惑がかかると思うと、逃げる気にもなりません」曲者は、そういって寂然と首をたれていたが、やがて首を上げると、発狂したように、牢の外へ向って呶鳴った。
「お館のうちへ申し入れる。どなたなりと、お出でください。火急申しあげたいことがござる! どなたなりと、お出合ください!」
十二
厩牢からの喚き声に、
「なぜ騒ぐかっ」箭四郎がまず駈けだしてきて、曲者を叱った。
何事かと、範綱も、奥から姿をあらわした。曲者は、牢格子にすがって、
「お館へ、申しあげたいのでござる。今日までは、骨を砕かれ、肉をやぶられても、この口は開くまいと、心を夜叉にし、固く誓っておりましたが、十八公麿様のやさしさに、あわれこの夜叉も、弱い人間の親に立ち回りました。いわずにはおれぬ気持が急なのでござる。お聞きとり下さい。それがしの自白を――」と、叫ぶのだった。その声には真実がある。その顔には涙がながれている。範綱はいった。
「箭四、牢から出してやれ」
「えっ、出しても仔細はございませぬか」
「縄も解いてやれ」箭四郎は、いわれる通りにした。縄を解くのだけは不安な気もしたが、曲者は神妙だった。