Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
花は夜風に乗って
一
(これはいけない――)範綱は、暗然として、枕もとに泣いている十八公麿と、朝麿、二人の幼い者のすがたを見た。
「六条さま、どうぞ、お慈愛をおかけくださいませ。……その二人のものを」衰えた眼が、かなしげに、枕からじっと仰いだ。そして、何ものかに命じられたように、白い掌を合せて、にこと、微笑んだ。
花は夜風に乗って
一
雨あがりの大路の黒い土は、胡粉をこぼしたように白い斑で描かれている。キリ、キリ、とさびしい軌の音が、粟田口あたりの閑寂な土塀や竹垣、生垣の桜花の下蔭を通ってゆく――
「ああ」牛と並んで歩きながら、侍従介は、鼻さきの涙を指さきで、そっと拭いた。
「――昼間だが、なんとなく、夜を歩いているような気がするなあ」独り語につぶやいたのを、
「そのはずじゃ」と、牛飼が、答えた。
「――なんとこの正月は正月も早々からじゃて。さきには、高倉上皇さまがおかくれあそばされたと思うと、――つづいて去年から大熱をわずろうていた平相国清盛公が、忽然と、あの世へ去っておしまいなされた……。それでのうても、お館さまや、和子さまには、吉光御前さまをお亡くしなされて、さびしい年を越えられたのじゃものなあ」