Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
十三
「おもしろい」弁円は、足をあげて、四郎の腰骨を蹴とばした。そしてふたたび、杖を持ち直して、りゅうりゅうと暴れまわってくる。
四郎は、跳びさがって、
「心得た」と、法衣の袖をたくしあげ、拳をかためて罵った。
「よしっ、こんどは汝を得度してやる。眼を醒ませ」
「しゃら臭い」二人は、ついに、四つになって取っ組んだ。背に笈を負っているので弁円の体は自由を欠いていた。あっ――と声を横に流して並木の根がたへ彼は顔と肩をぶつけていた。
「ざまあ見ろ」四郎は、そういって、思わず凱歌をあげたが、ふと、自分はもうすでに元の天城四郎ではない念仏門の一弟子であることを思い出して、
(しまった)と思った。
得度をうける時に、かたくかたく戒められていたのである。我を出すな――我を出すときには必ず元の四郎が出るぞ――御仏をもってそれを抑えろ――それには何事にふれても念仏を怠るな、ここと思う時には念仏をとなえかかれ、そしてそれを、寝る間も、醒めても、不断のものにせよ、おのれのものにせよ――と。
したたかに投げつけられて、額の血と泥とをこすって、無念な顔をしている弁円のすがたを見て、四郎はすぐそれを思い出した。