Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
十
その根本は、学問も思念も、すべてが、到らないためだというほかはない。こういう悩みをすることすら、僭越なのかも知れぬ。何よりもまず自身の解決からしとげなければならぬ。――栄達や功名の小我のためでなく、濁海の救船となって彼岸の大願へ棹さすために。
「おや、坊さんが、縛られてるぜ……」
「やれやれ、追剥にでも会ったのか、かわいそうに」夜はいつか明けて、範宴のまわりにも、性善坊や朝麿のそばにも、旅人だの馬子だのが、取り巻いていた。
十
すると、旅人の群れのうちから、
「おお、おお」一人の老婆が、同情の声をあげて、そこらに立っている往来の者たちに、
「おまえ方は、なんで手をつかねて、見物していなさるのじゃ。人の災難がおもしろいのか」と、叱りつけた。
そして、すぐ自分は、範宴のそばへ寄って、
「この辺は、野伏りが多いから、悪いやつに遭いなされたのじゃろう。オオ、オオ、体も氷のように冷とうなって、さだめし、お辛いことでござったろうに」老婆の行動に刺戟されて、それまで憚っていた往来の者が、われもわれもと、寄りたかって、性善坊の縄を解いたり、朝麿をいたわったりして、ある者はまた、