Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
けれど、人間の作った社会の道徳から、見る時には、ゆるしがたい不良児の行為として、肉親からも社会からも追われるのが当然であって、誰をうらむこともない。
もしも今なお世に在すものとすれば、こんな時こそ、母性は身をもっても、この不良の児を救うにちがいない。あらゆるものを敵としても、母は、敢然と子のために戦うにちがいないのだ。
範宴は、朝になってから、もいちど胸のうちでつぶやいた。
「――そうだ、わしは、母になって、母がいてなさるように、弟の苦境を考え、弟と共に考えてやればよい!」
三
いつものように、学生たちへ、華厳法相の講義をすまして、法隆寺の覚運が、橋廊下をもどってくると、
「僧都さま」と、いう声が足もとで聞えた。
覚運は、橋廊下から地上へ、そこに、手をついている範宴のすがたへ、じろりと眼を落して、
「――何じゃ」
「おねがいがございまして」と、範宴は顔を上げた。
そして、覚運が眸でうなずいたのを見て、十日ほどの暇をいただいて京都へ行ってきたいという願いを申し出ると、覚運は、
「観真どのでもご病気か」と、たずねた。
「いえ、弟のことについて」範宴は、そういう俗事に囚われていることを、僧都から叱咤されはしないかと、おそれながらいうと、