Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
「でも、参ります」
「叱られるぞよ」
「叱られても参ります」
「帰れ」
「こいつ、剛情なやつ」と、弟子僧たちが、止めているのを、振りかえって、慈円僧正は、困り顔をしながらも、苦笑をうかべて、眺めていた。
範宴は、弟子僧たちの間を、くぐり抜けてきて、師の袂をつかまえて、訴えるような眼をした。
三
「お師さま。きのう仰っしゃったおことばは、嘘ですか」慈円は、笑いながら、首を横にふった。範宴はたたみかけて、
「――でも、きのうは、供をゆるすと仰っしゃりながら、今朝は、知らぬ顔して、お山へ立って行こうとなさるではございませんか」
「…………」慈円はまた顔を振った。
「では、どうなんですか」
「忘れたのじゃよ」やむなく、僧正はこういって、範宴をつれてゆくことに、肚をすえてしまったようであった。
しばらく行くと、雪の中に、性善坊が立っていた。彼は、ゆうべからの範宴のすることを知っていたが、自分が生なかことばを挟んでは、かえって、範宴の意志が徹らぬようなことになるであろうと、わざと知らぬ顔をして、先へ廻って待ちもうけていたのである。
範宴の登岳をゆるした以上、当然、性善坊の供をゆるさぬわけにはゆかなかった。