Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

五

皆さまへ、よろしくといい残して――」

「や。もうお立ちになったのか。……今日は、改めてお礼を申しあげようと思うていたのに……。済まぬことであった」

範宴は、胸に借物でも残されたように、自分の怠りが悔いられた。

五

若い男女は、先にあゆみ、範宴と性善坊とは、ずっと離れてあるいた。

冬の日ではあるが、陽がぽかぽかと枯れ草に蒸れて、山蔭は、暖かだった。

「――幸福にさせたい」範宴は、先にゆく、弟と弟の愛人のうしろ姿を見て、心から、いっぱいに思った。

「のう、性善坊」

「はい」

「粟田口の養父上にお会いしたらそちも共に、おすがり申してくれ」

「はい」

「万一、どうしても、お聞き入れがなかったら青蓮院の師の君におすがりしてもと、わしは思う……。あの幸福そうなすがたを見い、あの二人は、世間も何もわすれている、ただ青春をたのしんでいる姿じゃ」

黄昏れになった。

女連れでもあるし、夜になるとめっきり寒いので、泊りを求めたが、狛田の部落を先刻すぎたので富野の荘までたどらなければ、家らしいものはない。

だが、そこも今のぼっている丘を一つ越えれば、もう西の麓には、木賃もあろうし、農家もあろうと思われる。