Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
宣戦
一
「――満山の大衆、こよい、山門へ立ち廻られよ」と呼ぶ。
(承知)という返事の代りらしい。
「もっとももっとも」と、ここでも同じ答えがする。
これが、叡山名物の、いわゆる「山門の僉議」の布令なのである。
その布令が、きょうも夕方のうす暗いころに廻った、四明ヶ岳の雪もすっかり落ちて、春の夜のぬるい夜靄が草むらや笹叢から湯気のように湧いている晩である。――やがて初更の鐘が合図。
暈をかぶった月が淡くかかっている、月は円くなかった。
「おうい――」
「ほーい」互いに、影を見て呼び合いながら、谷から、沢から、峰の中腹から、思い思いに頂の根本中堂をさして上ってゆく法師たちの影が、まるで猿のように見出される。
集まる場所は、いつでも大講堂の広場ときまっているのだ。
「ほーい」
「おうい」梟のような鼻声を交わしながら、途中から、めいめい、手ごろな石を担いでそこへ群れてくる。そして芝地の露へ、
どすん、どすん、石を抛る。
それが座席である、彼らは、その石のうえに腰を下ろし、入道杖を前に立てて、うんうんと眼を光らし、口をむすんで、燈火もない大講堂の階段を中心ににらまえているのだった。