Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
四
「あッ、親分ですか」
「並木の蔭へでも引込んでいろ。それでなくとも、六条の町の火放けは、天城四郎のしわざだと、もう俺たちの噂が、火よりも迅く迫っている」
「なあに、たった今まで、そこの並木の後ろにかくれて、親分の見えるのを待っていたんですが、そのうちに誰かが、退屈がって、通りかかった坊主の牛車を止めて、六波羅役人の真似をし、南へ行こうとする奴を西へ行けと、遠廻りをさせたもんだから、みんなうれしがって、囃していたところなんで」
「馬鹿野郎、いたずら事ばかりしてよろこんでいやがる。同じ悪戯をするならば、でっかいことを考えろ、もっと途方もない慾を持て。どうせ悪党の生涯は、あの炎のように、派手で狂おしく風のまま、善業悪業のけじめなく、したい放題にこの世の物を慾の煙の中に攫って短く往生してしまうのだ。ケチなまねをしても一生、大慾大罪の塔を積んでも同じ一生――」骨柄といい弁舌といい、この男がこの一群の頭領であって、すなわち、京の人々が魔のごとく恐れているところの天城の野武士木賊四郎にちがいない。
四郎は部下たちへ、こうひと演舌してすぐに、
「いや、それどころじゃねえ」