Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
六
右衛門尉のこぶしが、曲者の頭蓋骨を、三つ四つ撲った。
六
見ている者すら面をそむけるほど烈しい折檻を加えられたが、曲者は、頑として口をあけなかった。
「主人の名を申せっ」
「…………」
「頼まれたものの名をぬかせ」
「…………」
「何のために、立ち聞きしたっ。六波羅のまわし者とは分っているが、誰のさしがねで、ここへは忍びこんだか」
「…………」
いくら拷問してみたところで、石にものを訊くようなものであった。
そのうちに、曲者は、うめいたまま、気を失ってしまった。夜も更けてくるし、大きな声をだしているのは、近隣の館に対しても、考えなければならなかった。
「忌々しいやつ……」と、右衛門尉は、手をやいたようにつぶやいた。そして、この曲者を、充分に調べあげるまで、どこか邸内の仮牢に預かっておいてくれという。
「承知いたしました」範綱は迷惑した。しかしこんな縄付を、二人の使者が曳いて歩けないことは分りきっている。平家の眼の光っている京の往来では――。
「箭四郎、この曲者を、裏庭の納屋へでも入れて、縛っておけ」
「かしこまりました」気を失った曲者の体を、二、三人して雨の闇へ運んで行くと、右衛門尉は、足を洗って、席へもどった。