Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

九

それを、おかしげに、遮那王の小さい顎がさして笑う。やがて、

「やっ、あんな所に」見つけたとみえて、寺侍たちは、わらわらと丘の下へ駈けてきた。そして、

「遮那王さま!」手を振って、呼びたてる。吉次は、とっさに、

「ではまた」と、一言のこして、野狐のように、中山堂のうしろへ、隠れこんでしまった。

けろりとした顔で、遮那王は立っていた。なるほど、十五歳にしては小つぶである。指で突いたように、頬にはふかい笑靨がある。歯が細かくて、味噌ッ歯の質だった。なつめのように、くるりとしてよくうごく眼は、いかにも、利かん気と、情熱と、そして、やはり源家の家系に生れた精悍な血潮とを示して、それが、稚子であるために、単純化されて、凡の者が何気なく見ては、悪戯ッぽい駄々っ子としか見えないであろうほど、無邪気な眸であった。

九

「そんな所に、何をしておいでなされましたか」附人の寺侍は、叱るように、丘を仰向いていった。稚子の遮那王は、

「何もしておりはせん」首を振って、

「おまえ達を、探していたんだ」と、あべこべにいう。下の者は、呆れ顔をして、

「早く、下りておいでなさい」

「行くぞっ」遮那王は、凧のように、両袖をひろげて、丘の上から姿勢をとって、