Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

六

親鸞は、漁師たちが、好奇な眼をあつめて、泣き伏している彼女をながめているので、

「――だが、それはわしだけの考えたこと、間違うているかも知れぬ。おことたちは、仕事もあろう、どうか退いてくだされ」彼が頼むようにいうと、

「そうだ、わしらはこれから沖へ出にゃならぬ。ではお上人様――」

一人一人が、ていねいに頭を下げた。そして漁船へ乗ると、やがて、後ろの浜辺には、親鸞と――山吹とよぶその女性と、二人きりになった。

「ここは風があたる」親鸞は、山吹を導いて、砂丘の陰へ歩いて行った。

「坐りなされ」といって、自分も坐る。うしろは砂丘にかこまれて、晩春のあたたかい陽に静かに抱かれている。山吹はくずれるように、砂へ坐って、さし俯向いた。

「お坊さま、あなたは竹内の配所へ来ていらっしゃる都の上人様ですか」

「そうです、親鸞といいます」

「元は、善信様と仰っしゃいましたね」

「ご存じか」

「吉水の禅房で、一、二度」

「それで思いあたりました。どこかでお見かけしたように思われたのは、都であったか。それでは、吉水の房へ、聴聞に来られたこともあったのじゃな」

「まだ私が京都にいた折、しきりと、念仏はよいものと、町の衆がうわさしますので、おもしろ半分に――」