Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
そして、この苦悶を克服することが、自分を完成するかしないかの境目であるとも考えていた。いかにして、精神が肉体に克つか、信仰が肉体を服従させきれるか、彼は、二十八歳の青春と旺なその血液とを、どうしたら灰のような冷たいものにさせてしまうことができるかということにこの三月を懊悩の裡に暮していた。
三
東山に雲が低く降りていた。白く乾いた道に、埃が舞う。
「おお、ひどい」どこかの奥仕えらしい中年の女が、立ちすくんで、裳を押えた。落花を捲いてゆくつむじ風が、女の胸にかかえている一枝の牡丹の葉をるように強く吹いた。
「童女、童女、傘をさして賜も」風がすぎると、もうぱらぱらと雨がこぼれてきた。
柄の長い飴色の大きな傘を、童女はうしろから翳しかけた。
「聖光院はまだかの」
「あの白い壁の御門がそうではありませんか」雨は小粒になって、風も止み、雲も切れて、湯気のような春光の中に、どこかで啼く鶯の声がしていた。
童女は、濡れた傘をたたんだ。そして聖光院の式台へかかって、
「おたのみ申します」といった。
坊官が出てきてひざまずいた。そして、女の姿と、牡丹の枝に眼をみはった。女はしとやかに、