Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

五

すり切れた草履に、埃を立て、わらわら、ここへ群れてくる人々の眼には、一滴の水でもいい、何ものでもいい、心のやすみばを――心の息づきを――干乾びきった魂の糧となるものならばと、必死に求めているような顔つきに見えた。

五

丘一つむこうでは、鍛冶聚落の刀鍛冶たちが、戦国の招来を謳歌するように、鎚音を谺させているし、ここでは、迷える民衆が、

「なむあみだぶ――」

「なむあみだぶ」一人の念仏行者をかこんで、飢えた子のごとく、群れ寄って、救われようとしているのである。

「兄上、こちらへ来たら、少しは聞えるかも知れませぬ」宗業は、人々に押されながら、禅室の横へ迫った。

混雑するはずである。禅室の庭は、二十坪ほどしかない。柴垣も破れ、庭の内にも外にも、群集が、笠を敷いたり、筵をひろげたりして、いっぱいに、坐りこんでいる。後ろの方にも、三重四重に人間が立っているのである。

八畳、六畳、小部屋が一つ。わずか三間しかない禅室も、明り障子をとり払って、縁や、土間の隅にまで、坐れるだけの人間が坐っていた。

その、真ん中の一室に、うわさの人、法然房源空は、坐っていた。

高壇もない。