Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
二
じっと、炉の中の美しい焔に眼を落したまま――。
外には落葉の音がする。冬の夜の訪れが、しきりと、禅房の戸をがたがた揺すぶってゆく。
「綽空どのは、頬のあたりがすこし肥えられた」蓮生房がつぶやくと、炉をかこんでいる心寂や、弁長や、念阿や、禅勝などの人々が、そっと彼の顔を見まもって、
「ほんとに」といい合った。綽空は、うなずいて、
「ここにいて、肥えなければ嘘でしょう」
「初めて、お見かけした時は、痩せておられた」
「あのころの私は、形骸だけでしたから。――今はこうして炉に向っていても、魂までが、ほこほこ温もるのを感じてきます」
心寂が、まるくしていた背をのばして、
「誰にも、一度はそれがあったのだ――。わしなども」恥かしそうに何か回顧する。
「そうそう」と、念阿がそれを話した。
求菩提の心にもえていたころの心寂には、こういう俗縁や市塵の中にいては常に心が乱されて、ほんとの往生境には入り難い。――こう彼は考えて、上人に、遁世を願った。上人はゆるされた、心寂は草鞋をはく時、
(いずれ、再会は極楽で)といって、立ち去った。
それから彼は、河内の讃良にながれていた。そこの奇特な長者の後家が、まことに信心のふかい善尼なので、彼の望みをかなえてやろうと、林の中に、一つの草庵をつくり、食物はあげるから、思うさま念仏してお暮らしなさい