Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
と、松虫がいう。
「私たちは、この夏ごろ、法勝寺のお広間で、専修念仏をあそばされた時、お目にかかりました、あの松虫の局と鈴虫の局の二人でございますが」
「オオ」住蓮は、外をじっと見て、
「ちがいない。あの折のお二方じゃな。……したが、時ならぬこの夜中、しかも、御所にお仕えするあなた方が、何で、かような山路を辿ってござったか」
「それを聞いていただきたいばかりに、鈴虫様と、一心をこめて、ここへ参りました。くわしいことは、上がってお話し申しますから、ご縁の端にでも、座をおゆるし下さいませ」
住蓮は、振向いて、
「安楽房、どうしたものであろう? ……」
「どうといって、まさか」
「そうじゃの、この寒い夜を越されて来たものを、追い返すことも」
「仏の御心であるまい」
「うむ」何か、囁き合っていたが、やがて躊躇いを払って、
「どうぞ」改めて、礼儀をし直した。
被衣を脱ぐ二人の上めいたしなやかな手から霰がこぼれた。――住蓮も安楽も、その匂わしい麗姿に眼をそむけた。見ているには、あまりに美し過ぎるからである。
「霰が、こぼれ出したと見えますの。――さぞ、お寒かったであろうに」
「おそれ入りますが、井水はどこにございましょうか」