Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「そんな義理がたいことには及ばないさ。奈良の茶屋町で、一晩遊べば、あれくらいな金はすぐにけし飛んでしまう。お坊さんへ、喜捨いたしますよ。はははは」
「それでは余り恐れいります。失礼ですが、ご尊名は」
「名まえかい。――名をいうほどな人間でもないが、これでも、先祖は伊豆の一族。今では浪人をしているので、生国の名をとって、天城四郎とよんでいる田舎武士だよ」
「では、旅先のお体でございますか。さすればなおのこと、路銀のうちを私どもの難儀のためにお割きくだされては、ご不自由でございましょうに」
「なんの、長者ほどはないが、路銀ぐらいに、不自由はしない。くれぐれも、心配しなさるな。そう案じてくれては、せっかくのこっちの好意がかえって無になる。……ああ思わず邪魔をした。どれ、自分の塒に入ろうか」そういうと、男は隣の間に入って、ふたたび顔を見せもしない。
やがて、黄昏れの寒鴉の声を聞きながら、範宴も、法隆寺へ帰って行った。そして、山門の外から本堂の御扉を拝して、弟のために、祈念をこらした。
その夜――凍りつく筆毛を走らせて、彼は、粟田口の草庵にいる養父の範綱――今ではその俗名を捨てて観真とよぶ養父へ宛てて、書くにも辛い手紙を書き、あくる朝、駅使にたのんで京へ出しておいた。