Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
すると、すぐ後ろの、源頼政の碑のある中山堂の丘に、白い尾花を折り敷いて、にこにこ笑っている稚子髷の顔が、ちらと見えた。
「あっ、居る……」兄の袖をひくと、範綱も、見あげていた。そこは、さっき、文覚護送の檻車が通った時、たくさん、見物がいた所である。稚子は、背がひくいので、そこへ登って眺めていたものと思われる。
すぐ、彼のそばの尾花の中に、もう一人、誰か屈みこんでいた。旅商人の砂金売り吉次だった。
何かささやいているらしい。しかし、遮那王は、吉次のほうへは顔を向けないで、いかにもうつろな眸をしているように、真っすぐに、雲を見ていた。ただ、時々うなずきながら微笑するのである。
「――疑ぐられてはいけませぬ。はやく、お帰りなさいませ」吉次がいう。遮那王は、首をふる。
「いいよ」
「でも」
「いいというのに」
「まだ、時機が熟しませぬ。――今日のところは、山へお帰りあって」
「わかったよ」
「では」
「いいと申すに。ふだん、わしを、うるさく見張ってばかりおるゆえ、あの三人に、すこし、窮命させて、探させてやるのじゃ、あれ見い、阿呆顔して、焦れておるわ」並木を、四、五町も先へ行って、寺侍たちは、つかれた顔をして、また、こっちへもどってくる。