Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
松落葉のうえを、音もなく歩いてくる女性は、ほかに避ける道もないので、彼の法衣のそばを、そっと、摺れちがって行こうとするのである。
が――女は、やや姿態を曲げてわざとのようにその時被衣を横にして顔をかくして通った。で、綽空も、
(どこかで見たような?)と思いつつ、ことばをかけずに行き過ぎてしまった。
十歩ほどあるいてから振向くと被衣の女も、ちらとこなたを見て足ばやに行ってしまった。ふところから小鳥でも逃がしたように、綽空は心をひかれて、その影が、白河の河原の低い蔭になってしまうまで佇んで見送っていた。
三
――なぜあの時よびとめて、名だけでも訊いてみなかったか。
綽空は、草庵をとざして、夜の孤寂に入ってからも、瞑想の澄心を、それのみに結ばれてしまうことを、どうしようもなかった。
ほとほとと外を軽く打つ者がある。また悪戯な林の獣どもかと、しばらくすてておくと、
「庵の主はお留守か」明らかにそういう。
「――燈火の影を見うけて立ち寄ったものでおざる。苦しゅうなくば宿をおかしくださるまいか。決して、怪しい者などではありません」綽空は起って、
「旅のお方か」
「されば」