Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
水車は晒布を掛けたように、氷りついて止まっていた。その小屋の廂の下に人影が屈んでいるのだ、石のうえに腰かけて。
心蓮は、眼をみはった。やはり自分と同じような貧しい法衣の旅人である。
「もし……あなたはもしや、以前綽空といわれた善信御房ではありませぬか」
「そうです」人影は、石から起って、いぶかしげに、
「そう仰っしゃるあなたは?」
「三年前に、上人からお暇を賜わって、笠置の田舎へかくれ込んだ心蓮です。――あなたとも半年ほど、吉水で共に暮したことのあるあの心蓮です」
四
「善信御房――」心蓮は、いぶかしげに、また訊ねて、
「軒からは、氷柱が下がっているし、風は吹きさらすし、さような所であなたは、何を好んで誦経しておられたのですか」
「実は、ある者の刃に趁われて、逃げてきたのです」
「逃げるならば、叡福寺の僧房へでも、おかくれになればよいのに」
「僧房を騒がすのは気の毒でしたから。――それに皆、静かに眠っているところを驚かしてはと思うて」
「なるほど」心蓮は心を衝たれたように、
「危急に迫って、自分の生命が脅かされる間際にも、あなたは、慈悲を忘れないお方とみえますな」
「――お恥しいことだ」