Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「お上人さまの功徳でも、この秋は、ふッさりと穂が実ろうぞや」そういうことばの下から、はや晩の教えを思い出して、念仏を口にする声もながれた。親鸞は、そこへ来て、
「みなの衆」と、にこやかに呼びかけた。
「また、お邪魔に来ましたぞ、手伝いといえば、ていさいはよいがの、お百姓仕事には、親鸞はまだ未熟ゆえ、お邪魔にというたほうがほんとであろう」
「さあさあ、お上人さま、ここの列へ入って、植えて下され」
「苗をくだされ」親鸞は、深々と、泥田の中へ脛を入れていた。
そして、苗束を持って、四、五本ずつ田へ植え込んでゆきながら、
「だんだん巧みになる。――生信房の植えた苗より、わしのほうが行儀がよいようじゃ」などと戯れた。
生信房は、負けない気になって、
「お師さま、そのかわりに、私はあなた様よりも、ずっと植え方が早うございます」
「はははは、でも秋になって、どちらが稲穂がよけいにつくじゃろか。……生信房も皆の衆も、ただこう苗の根を泥の中へ突っ込んでいるだけらしいが、親鸞のはそうでない、一念一植のこころを持っていたしておる。それゆえに、秋になれば、わしの植えた苗は、暴風雨にも倒れず、必ず、稲穂もよけいに実るであろう」