Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
仕事に対する不平不満、生活の懈怠や憂鬱も、すべてその声念のうちに溶かされて、百姓たちは、心から働くよろこびに浸りきった。
その時、親鸞は、左に苗の束を持ち、右の手にそれを少しずつ頒け取っては、田水へ植え下ろしてゆきながら、心のどかに――静かなよい声で、農民のために彼が自分で作った田植歌を歌った。
五劫思惟の苗しろに
兆載永田のしろとして
一念帰命の苗を植え
念々称名の水をかけ
往生の秋になりぬれば
実りを見るこそうれしけれ
四
親鸞の歌う楽しげな節につり込まれて、百姓たちも、
一念帰命の苗を植え
念々称名の水をかけ
往生の秋になりぬれば
実りを見るこそうれしけれ
歌の通ってゆく後へ後へと、青い田ができて行くのだった。植えられた苗にはすぐ、生々と青いそよ風がうごいていた。
「ああ、自分も教えられるし、人にもこの教化は生かされてゆくだろう」
親鸞は、泥田に感謝した。この泥田こそ、どんな荘厳な教殿にも七宝の伽藍にも勝る教化の道場であるぞと思った。
――こういう生きた道場があるのに、前人有徳の聖者たちが、誰ひとりあって、土と汗の中で、こういう生きた教化に従事した例があるだろうか。