Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
弁円を初め、山伏たちには、不審でならなかったが、親鸞がすでに稲田の草庵に帰り着いているという事実はもう動かせない。
「やはり、あの僧には、ふしぎな霊覚があるのではないか」
「こっちで、法力をもってすれば、親鸞も法力をもって覚り、こっちで呪殺の縄を張れば、彼も破邪の呪を行って、吾々の眼をくらましたに違いない」山伏たちは、今日の失敗を招いたことから、かえって親鸞に対する恐怖と畏敬を高めてしまった。やはり彼は非凡人であったと心から考え出して、そういう有徳の僧に毒矢をつがえた身のほどが恐ろしくなってしまった。平常は冷笑してた天譴とかいうことも、真剣に思い出されて、初めの元気を喪失してしまったばかりでなく、寒々と峠の笹むらを渡る夕風の中に、ぶるぶるっと心の底からおじけに似た戦慄を抱いた。
「――出し抜かれた」独りこう呻いて、やり場のない憤怒に、眉をあげているのは弁円であった。
「かくまで、吾々を愚弄して、なにおめおめと十六房の主権、播磨公弁円といわれて人に面をあわされよう。――よしっ、この上は、稲田の売僧小屋を踏み破って、親鸞の首捻じ切ってくれる。――見ておれっ」