Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
念仏を申すことならば、血の池の底、針の山のいただきからでも、いえることじゃ。声を出していうて悪ければ、口のうちでいう一声の念仏は、寺入りして千万度いう唱名よりは尊いのでおざるぞよ。その日その日の生活の苦労のうちに申してこそ、その念仏は生ける人の声として、御仏のお耳へもきっと届く。――疑いたもうなお内儀。雑業俗生の生活の忙しきうちから申す念仏とて、きっと弥陀は受けたもうにぞ。……そうじゃ、親鸞が今、よい物を進ぜよう」そういって、
「蓮位、蓮位」と、呼んだ。
弟子僧に、硯や筆や紙を運ぶようにいいつけて、親鸞は、六文字の名号を書き、それをお吉に与えて、
「これからは、ここへもお出でにならぬがよい。御仏は今かりに、平次郎の身にやどって、お身の信心を試しておられる。良人の平次郎を御仏と思うて仕えたがよい」と、諭した。
獣夫仏妻
一
「お吉っ、お吉っ」
朱を捺すったような顔に、青すじを膨らませて、河和田の平次郎は、こよいも、仕事袴も脱らずに、帰るとすぐ膳の酒に向ってまた例のわめきだった。
「やいっ、いねえのか」
暮れたばかりのほの暗い所では、お吉が、何か野菜でも刻んでいるらしく、細かい庖丁の音がしていた。