Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「ありがとうございます」十八公麿の頬には、希望のいろが、紅くかがやいた。やはり、少年である。そう聞くと、いそいそと、玄関へ駈けて、
「介」と、弾んで呼んだ。侍従介と、箭四郎は、式台のすみに、うずくまっていたが、
「お、和子様、どうなされました」
「おゆるしを受けた」
「それは!」と、二人も胸を伸ばして、よろこんだ。
「上出来でございました。はやく、お父君にも、このことを」穿物をそろえて、塗の剥げた貧しい輦の轅を向ける。彼が、それに乗ると、学舎の窓から、
「やあ、どこの子だ」と、師の見えない隙をぬすんで暴れていた悪童たちが、墨だらけな顔や、悪戯ッぽい眼を外へのぞかせて、
「貧乏車」
「ぼろ車」
「なんぼ、くるくる廻っても」
「貧乏車は、ぼろ車」と、謡って、囃した。箭四郎は、窓のそばへ駈けて、
「雀ッ。何をいうぞ」
「わっ」と、笑いながら、いちどに、窓の首は引っ込んだ。
「箭四、大人気ないぞ、行こう」介は、牛の手綱をとった。
「わしが曳く」と、箭四郎は手綱を彼の手から取って、まだ、腹だたしげに、窓をふりかえりながら、
「こんな、悪さのいる学舎へ、大事な和子様をかよわせても、よいものかの」