Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
六
従者がなぜですかと、問うと、白馬の貴人は、こういった。
(おまえ達には、わからぬか。あの童子の眸は、褐色をおびて、陽に向うと、さながら瑪瑙のように光る。なんで、凡人の子であろうぞ)と、いったという。
果たせるかな、勢至丸は、やがて後の法然上人となった。
その時の白馬の貴人は、九条関白忠通公で、縁といおうか、不思議といおうか、慈円僧正の父君であった。
六
中務省へ、使に走った者は、省の役人から、むずかしい法規と諮問をうけて、手間どっているのであろうか、なかなか、戻ってこなかった。
青蓮院のひろい内殿は、どこかの筧の水の音が、寒い夕風を生み、塗籠からは、黄昏れの色が、湧いてくる。
供の侍従介は、さっきから、廊の端に、坐ったまま、苑面にちりしく白い桜花をじっと見入っていた。
「おそいのう」慈円僧正は、気の毒そうにこうつぶやいた。
ゆらゆらと、短檠の灯が、運ばれてくる。
「官の小役人には、法にしばられて、法の精神を知らぬものがまま多い……。こう遅うては、みずから参って、説かねばならぬかも知れぬ」
「なんの、待ちどおしいことがございましょうぞ。お案じなく」と、範綱はいった。